「家族が万引きで逮捕されたと、警察から連絡があった」

「お店に謝りに行きたいが、どう動けばよいかわからない」

万引きは、身近に起こりうることですが、刑法上は窃盗罪にあたる犯罪行為です。逮捕された場合、その後の処分を大きく左右するのが、被害に遭った店側との示談です。

本コラムでは、万引きで逮捕された場合の店側との示談の流れについて、群馬県高崎市・前橋市に拠点を置く山本総合法律事務所の弁護士が解説します。

万引きは窃盗罪にあたります

万引きは、刑法235条の窃盗罪にあたります。法定刑は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、被害額が少ないからといって軽い罪になるわけではありません。

その場で店員や警備員に取り押さえられる現行犯逮捕のほか、防犯カメラの映像などをもとに、後日逮捕されることもあります。

【参考】窃盗の証拠がない場合警察は動く?窃盗の証拠となるものは何?弁護士が解説

逮捕された後の流れ

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送ります。検察官は、24時間以内に勾留を請求するかどうかを決めます。勾留が認められると原則10日間、延長されると最大でさらに10日間、身柄を拘束されます。逮捕から数えると、最長で23日間です。

検察官はこの期間内に、起訴するか、不起訴とするかを判断します。罰金刑が見込まれる場合は、書面のみで審理する略式起訴となることも多いです。略式であっても、罰金刑が確定すれば前科がつきます。

【参考】万引きなどの「窃盗罪」で逮捕されてしまったら

示談が処分に与える影響

検察官が処分を決めるうえで、重視される事情のひとつが示談の有無です。被害の弁償が済み、店側が処罰を望まないという意思を示していれば、初犯の場合には不起訴となる可能性が高まります。

ただし、窃盗罪は被害届等の取り下げによって手続きが終わる罪ではありません。示談をしても、最終的に起訴するかどうかは検察官が判断します。同種の前歴が重なっている場合などには、示談が成立していても起訴されることがあります。

起訴された場合でも、示談の成立は刑を決めるうえで有利な事情として考慮されます。

店側との示談の流れ

示談は、一般的に次の順で進みます。

  1. 交渉の窓口を確認する
    被害者は店舗ですが、示談に応じる権限を持つのが店長なのか、本部の担当部署なのかは、店によって異なります。権限のない方と話を進めても、後から本部が認めないことがあるため、最初に窓口を確認します。
  2. 謝罪の意思を伝える
    まずは、被害を与えたことへの謝罪から始めます。直接の面会を受け入れてもらえない場合は、ご本人が書いた謝罪文をお渡しすること等も検討します。
  3. 被害弁償と示談金を提示する
    被害に遭った商品の代金を弁償するのが基本です。これに、迷惑をかけたことへのお詫びとして、一定の金額を加えて提示することもあります。金額は、被害額や店側の意向によって変わり得ます。
  4. 示談書を作成する
    合意ができたら、内容を示談書にまとめます。示談金の額と支払方法のほか、次のような条項を入れるのが一般的です。
    ・宥恕(ゆうじょ)条項:店側が本人を許し、刑事処罰を望まないという内容
    ・清算条項:示談書に定めたほかには、お互いに請求をしないという内容特に宥恕条項は、検察官の判断に大きく影響します。
  5. 示談書を検察官に提出する
    成立した示談書の写しを検察官に提出し、処分の判断にあたって考慮するよう求めます。

店側が示談に応じない場合

大手のスーパーやドラッグストアなどでは、万引きについて示談に応じないという方針を定めていることがあります。

その場合でも、被害額の弁償だけは受け取ってもらえることがあります。弁償も受け取ってもらえない場合は、弁護士会や公的団体などへの贖罪寄付等の方法で、反省の気持ちを形にすることを検討します。示談が成立しなくても、こうした取り組みは処分の判断において考慮されます。

【参考】【弁護士解説】窃盗罪とは?万引き・置き引き・出し子も該当する?罰則や示談のポイントまで解説

示談交渉は弁護士を通じて

店側は、加害者本人やご家族との直接のやり取りを避けることが少なくありません。また、逮捕・勾留されている間、ご本人は自ら交渉することができません。

弁護士が間に入ることで、店側も話し合いに応じやすくなります。勾留の期限を見据えて、限られた時間のなかで示談をまとめることも可能になります。

【参考】私選弁護士をつけるメリット

万引きで逮捕されたら、早めに弁護士にご相談を

弁護士一同

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