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はじめに
「夫が、教え子へのわいせつ行為の疑いで逮捕された」
「家族として、これから何をすればよいのかわからない」
子どもに対する性暴力は、被害を受けた子どもの心身に深い傷を残す重大な犯罪です。法改正により処罰の範囲も広がり、厳しい姿勢で臨まれています。一方で、突然ご家族が逮捕されたとき、残されたご家族は何が起きているのかもわからず、深い混乱のなかに置かれます。
本コラムでは、ご家族が子どもへの性暴力事件の加害者になってしまった場合の対応や手続きの流れについて、群馬県高崎市・前橋市に拠点を置く山本総合法律事務所の弁護士が解説します。
教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について

教員による子どもへの性暴力を防ぐため、2022年4月に「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が施行されました。
この法律では、教員が児童生徒にわいせつな行為などをすることを、子どもの同意の有無にかかわらず禁止しています。違反した教員は原則として懲戒免職となり、教員免許も失効します。免許が失効すると、再び取得を申請しても、都道府県の教育委員会の審査で適当と認められない限り、免許を取り戻すことはできません。 免許失効の情報はデータベースに記録され、教員を採用する側は、採用時にこれを確認することが義務づけられています。
さらに、2026年12月25日からは、いわゆる日本版DBS(こども性暴力防止法)が始まります。学校や保育所などでは、子どもと接する仕事に就く人について、性犯罪の前科の有無を確認することになります。
【参考】教員が刑事事件を起こしてしまった時の対処法を弁護士が解説
子供に対する性暴力で問われる罪

2023年7月の刑法改正で、性犯罪の規定は大きく改められました。子どもに対する性暴力では、主に次の罪が問題になります。
- 不同意わいせつ罪:6か月以上10年以下の拘禁刑
- 不同意性交等罪:5年以上の有期拘禁刑
- 監護者わいせつ罪・監護者性交等罪:18歳未満の子どもを監護する立場にある者が行った場合に成立し、法定刑は上の2つの罪と同じ
13歳未満の子どもに対しては、同意の有無を問わずこれらの罪が成立します。13歳以上16歳未満の子どもについても、行為者が5歳以上年上であれば同様です。
このほか、16歳未満の子どもにわいせつ目的で会うことを求める面会要求等罪、性的な姿態を撮影する撮影罪、児童ポルノの製造や所持を処罰する児童ポルノ禁止法、児童福祉法や青少年保護育成条例などが適用されることもあります。
【参考】児童ポルノで逮捕されたらどうなる?処罰される行為や罰則について解説
逮捕後の流れ

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送ります。検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを判断し、勾留が認められると原則10日間、延長されると最大でさらに10日間、身柄を拘束されます。検察官は、この期間内に起訴するかどうかを決めます。
子どもへの性暴力事件では、被害者への働きかけなどを防ぐため、勾留が認められやすい傾向があります。弁護士以外との面会を禁止する「接見禁止」がつき、ご家族も面会できないことが少なくありません。また、スマートフォンの解析などから別の事件が明らかになり、再逮捕によって身柄の拘束が長引くこともあります。
【参考】逮捕、勾留を避けるには
加害者の家族が取るべき対応

被害者やそのご家族に直接連絡しない
謝罪の気持ちからであっても、ご家族が直接連絡を取ることは避けてください。被害を受けた子どもやご家族をさらに傷つけるおそれがあるほか、証拠隠滅や口裏合わせを疑われ、ご本人の立場を不利にすることにもなります。謝罪や示談の申し入れは、弁護士を通じて行います。
示談は弁護士を通じて
被害者が子どもの場合、示談の相手は親権者である保護者です。被害者側の処罰感情が強いことも多く、示談に応じていただけるかは事案によります。示談が成立しても必ず不起訴になるわけではありませんが、処分や量刑の判断において考慮される事情になります。
証拠に手を加えない
ご本人のスマートフォンやパソコンなどのデータを消去したり、処分したりしてはいけません。証拠隠滅として、ご本人だけでなくご家族自身が罪に問われるおそれがあります。
被害を受けた子どもがご家族の中にいる場合
被害を受けたのがご家族のお子さまである場合は、まずお子さまの安全と心のケアを最優先にしてください。児童相談所などの関係機関とも連携しながら、今後の生活を考えていくことになります。
ご家族自身を守る
勤務先や学校への対応、周囲に事件が知られることへの不安など、ご家族が抱える負担は計り知れません。今後の見通しを知ることが、落ち着いて行動するための第一歩です。
刑事事件は、時間の経過とともに取り得る手段が限られていきます。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談もお受けしています。
山本総合法律事務所は、高崎・前橋の2拠点に8名の弁護士が在籍しています。初回60分のご相談は無料です。ご相談は完全個室で行い、内容の秘密は厳守いたします。
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