少年事件とは
少年事件とは、実際に犯罪行為をした、あるいは犯罪行為をする可能性がある未成年が逮捕されたり保護されたりする事件です。
少年事件の場合、「少年法」という法律が適用され、成人の刑事事件とは異なる手続きがとられます。少年法は罪を犯した少年に処罰を与えるのではなく「少年の非行性を取り除いて保護育成すること」を目的としており、成人の刑事事件とは異なるからです。
なお、少年事件の「少年」には女子も含まれます。
少年事件で適用される処分
少年事件の手続きが進むと、以下のいずれかの処分が下されます。
「審判不開始」
「不処分」
「保護観察」
「少年院送致」
「検察官送致」
審判不開始は、罪を犯していないなどの理由でそもそも少年審判を開かない判断です。
不処分となるのは犯罪を行った事実が認められない場合や、保護処分が不要と判断された場合です。その後は何の制限も受けず、元の生活に戻れます。
保護観察は保護観察所の指導の下、自宅で生活しながら更生していく処分です。1年程度で保護観察所の指導が終了するケースが多数です。
少年院送致は、少年院で矯正教育を受ける処分です。
検察官送致は、殺人事件などの重大犯罪のケースや審判時に20歳以上に達していた場合などに検察官のもとへ送られて、成人と同じ刑事手続きが行われる処分です。
少年事件の付添人活動について
身柄拘束を避ける
少年事件で逮捕されたとき、事件が軽微で家族などの身元引受人がいて、検察官や裁判官に証拠隠滅や逃亡をしないことを説明できれば、身柄拘束を解かれて家に戻れる可能性があります。弁護人は付添人となり、勾留や観護措置の必要性がないことを説得的に説明・主張します。
心身鑑別や行動観察の必要があるとされて勾留されたり少年鑑別所に送られたりした場合でも、弁護士が付添人となって観護措置の一時停止を求めることにより、定期試験や入学試験などのための一時帰宅を実現できるケースもあります。
審判で少年院送致を避ける
少年事件の場合、検察官ではなく家庭裁判所に送られて家庭裁判所の調査官による調査が行われ、多くのケースで少年審判が開かれます。
審判で少年院送致を避けるには、審判官に不処分や保護観察処分としてもらう必要があります。
そのため弁護士が付添人となって、少年の無実や少年が自宅で更生可能である事情を積極的に主張していきます。