大麻や覚せい剤、危険ドラッグなどの薬物犯罪で家族が逮捕されてしまった時、できるだけ処分を軽くするためには、早急に弁護士に依頼して刑事弁護活動を開始する必要があります。
薬物犯罪で逮捕されたとき、適切な対処をしないと起訴されて刑罰を適用される可能性が高まります。
逮捕後2~3日程度は、家族であっても面会を制限され、事件の詳細を知ることもできず、ご本人が今どうしているのか、なぜ薬物に手を染めてしまったのか、実は冤罪なのではないか等の不安が募ってしまうことでしょう。
以下では薬物事件の種類や逮捕されたときの対処方法を弁護士がご説明します。
薬物犯罪の種類
ひと言で「薬物」といってもいろいろな種類があり、適用される刑罰の内容も異なります。
薬物犯罪には、主に以下の4種類の法律違反があります。これらの法律を「薬物4法」といいます。
覚せい剤取締法違反
いわゆる「覚せい剤」を使ったり輸出入、販売したり譲り受けたり所持したりしたときに成立する犯罪です。薬物犯罪の中でもっとも罪が重くなっています。
覚せい剤で逮捕された時の対処法はこちらから大麻取締法違反
大麻草を所持したり譲渡したり譲り受けたりしたときに成立します。
大麻で逮捕された時の対処法はこちらからあへん法違反
あへんの製造や販売、使用等行ったときに処罰を受けます。
麻薬及び向精神薬取締法違反
ヘロインやコカイン、モルヒネやMDMAなどの依存性の強い薬物、向精神薬の使用や輸出入、譲渡や譲り受けなどをすると処罰されます。
大麻で逮捕された時の対処法はこちらから危険ドラッグの使用や販売
また近年では上記の4法に該当しない「危険ドラッグ」の使用や販売事例も増えています。
危険ドラッグについては上記の法律による個別の指定がなくても、厚生労働大臣が「指定薬物」とした場合、規制対象となって「薬事法違反」で処罰されます。
薬物犯罪で禁止される行為
薬物の種類にもよりますが、基本的には以下のような行為が禁止されます。
- 販売
- 輸出入
- 栽培や製造
- 譲渡、譲り受け
- 使用、吸引
- 所持
営利目的があると、ない場合より処分が重くなります。
逮捕されるとどうなる?
薬物犯罪では、薬物に依存性があるため身柄を解放すると「再犯のおそれあり」と判断され、勾留されるケースが多くなっています。
勾留された場合
一度勾留されると10日間は警察の留置場で身柄を拘束され続け、取り調べを受ける事になります。この時、逮捕後2~3日間は家族であっても面会が許されず、状況を知る事はできません。
最大で23日間も拘束される可能性が
また、多くの場合で勾留が延長され、逮捕から数えて最大23日間は身柄が拘束され、その間に会社や学校の重要な用事があったとしても、外出することはできません。
起訴されると99%が有罪に
また、検察官が起訴を決定すれば、刑事裁判を受けることになります。
現在の日本では一旦起訴されると、有罪判決を受ける確率は99.9%となっており、無罪の判決を受けることは大変困難といえます。
薬物犯罪の刑事弁護
迅速な接見
弁護士であれば、逮捕後もすぐに接見(面会)をすることが可能です。また、警察官の立ち会いもなく、時間制限もないため、ご本人からじっくりと事情を聴くことができます。
刑事弁護ではスピードが肝心ですので、なるべく早期にご本人に対して今後の方針や取り調べ等での注意点、対応策等を伝えることが重要です。
不起訴処分・執行猶予判決の獲得
通常、被害者が存在する犯罪では、被害者の方に謝罪を行い、示談が成立すれば不起訴処分等の比較的軽い処分を得られる可能性が高まります。
しかし、薬物犯罪は、被害者がいないため被害者との示談によって情状をよくすることはできません。
身柄の解放や不起訴処分を目指す
そこで、刑事弁護人は、様々な良い情状を示すことで、なるべく早期の釈放を目指し、たとえ勾留されても不起訴処分の獲得を目指します。
具体的には、次のような事情です。
- ご家族や職場による監督を期待できる
- 初犯である
- 本人が深く反省している
- 依存性が薄いこと
上記を説得的に主張できれば不起訴処分を得られる可能性も高まります。
なるべく早期に弁護士に相談を
薬物犯罪でご家族やご友人が逮捕されてしまった時、適切な対応をするためには、刑事弁護に精通した弁護士の存在が極めて重要です。
早期に身柄の釈放を受けて依存からの脱却を進めるためにも、お早めに弁護士までご相談下さい。