
会社の忘年会などの飲み会では、酒に酔って気が大きくなり、ついセクハラをしてしまうケースも数多く見受けられます。
セクハラをしてしまうと、会社から処分を受けたり、被害者から慰謝料を請求されたりするだけでなく、場合によっては罪に問われるおそれもありますので、くれぐれも注意が必要です。
今回は、酒に酔ってセクハラと言われてしまったときの対処法や、飲み会でセクハラを避けるための対処法などについて、わかりやすく解説します。
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飲み会でのセクハラ事例

そもそもセクハラとは、セクシャル・ハラスメントの略称であり、相手の意に反する性的な言動により不快感を与えることを意味します。
会社の飲み会でよくあるセクハラ事例として、次のようなものが挙げられます。
【身体接触】
- 肩や腰に手を回す
- 手を握る
- ハグをする
- マッサージという口実で身体を触る
- 髪を撫でる
- 胸や尻を触る
- キスをする(しようとする)
【性的な発言】
- 「かわいいね」「胸が大きいね」など容姿に言及する
- 「彼氏(彼女)いるの?」「旦那(奥さん)とは仲良い?」などとプライベートを詮索する
- 過度な下ネタを言って相手の反応を楽しむ
- 「○○さんは不倫したことがあるんだって!」などと性的な情報を言いふらす
【不必要な行為の強要】
- お酌を強要する
- 隣に座るように強要する
- デュエットやチークダンスを強要する
- デートやホテルに行くことを執拗に誘う
- 泥酔した相手をホテルや自宅に連れ込む
【立場を利用した言動】
- 「昇進させてやる」「断ったら評価に響く」などの文句でホテルに誘う
- 誘いを断った相手に対して、仕事上で不利に扱う
セクハラで罰せられる罪とは

セクハラで成立する可能性がある主な犯罪を、以下に掲げます。
セクハラ加害者のほとんどは軽い気持ちで行っているものですが、意外なほど重い罪に問われることもありますので、厳重に注意する必要があります。
不同意性交等罪
酒に酔って抵抗できない相手や、仕事上の力関係から拒否できない相手をホテルや自宅へ連れて行き、性交渉に及ぶと不同意性交等罪が成立する可能性があります。
法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。
結果として性交渉に至らなかった場合でも、未遂罪が成立する可能性があります。未遂罪も定刑は、既遂罪と同じです。
【参考】不同意性交等罪とは?不同意性交罪に該当する可能性がある行為を弁護士が解説
不同意わいせつ
相手の同意なく胸や尻を触る、キスをする、ハグをするなど、わいせつな行為をした場合は、不同意わいせつ罪が成立する可能性があります。
法定刑は、6ヶ月以上10年以下の拘禁刑です。
強要罪
デートやホテルに行くことなどを強要した場合は、強要罪が成立する可能性があります。お酌の強要も、実際に処罰されるかどうかは別として、理論上は強要罪に該当するので注意しましょう。
法定刑は、3年以下の拘禁刑です。
脅迫罪
セクハラをしてしまった後、口止めのために相手を脅したりすると、脅迫罪が成立する可能性があります。
法定刑は、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
名誉毀損罪
相手の異性関係や性癖などプライベートな情報を言いふらすと、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
法定刑は、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
侮辱罪
相手を性的にからかうだけでも、侮辱罪が成立する可能性があります。
法定刑は、1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料です。
迷惑防止条例違反
肩や腕に手を回す、手を握るなどの身体的接触や、過度な下ネタばかりを言うような卑猥な言動をすると、各都道府県の迷惑防止条例違反に該当する可能性があります。
罰則は地域によって異なることがありますが、東京都の場合は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
【参考】迷惑防止条例違反
セクハラといわれたときの対応方法

部下からセクハラと言われてしまった場合は放置せず、以下のように対応していきましょう。
セクハラ行為をやめる
忘年会などの飲み会でセクハラをしてしまう人は、普段からセクハラに該当する言動をしている可能性もあります。
まずはご自身の言動を振り返り、心当たりがある場合は、直ちにセクハラ行為をやめなければなりません。
気づかないうちにでもセクハラ行為を続けてしまうと、部下の被害感情がエスカレートして警察問題などに発展するおそれもあります。
当時の状況を確認する
次に、ご自身が飲み会でどのようなセクハラをしたのか(あるいはセクハラに該当する言動はしなかったのか)を、思い出しましょう。
部下は怒りの感情から被害を過大に申告している可能性もありますので、部下の言い分がすべて正しいとは限りません。
泥酔して何も覚えていない場合は仕方ありませんが、可能な限り思い出してみてください。どうしても思い出せない場合は、飲み会に参加していた他の人からも事情を聴いた方がよいでしょう。
反省し、謝罪する
ご自身のセクハラ行為の内容を把握できたら、真摯に反省して、部下に対しては誠意をもって謝罪しましょう。
軽度の身体的接触や下ネタ発言といった程度であれば、謝罪した上で、二度と行わない旨を誓うことで相手の許しを得て、解決できることが多いです。
不同意性交等罪や不同意わいせつ罪が成立しているなど重大なケースでは、必要に応じて慰謝料などを考慮した示談金を提供し、示談を成立させることが重要です。
警察問題に発展してしまった場合でも、示談が成立していればプラスの情状として考慮され、不起訴処分などの軽い処分が期待できます。
飲み会でセクハラを避けるための対処法

飲み会でセクハラを避けるためには、まず、どのような言動がセクハラに該当するのかを知っておく必要があります。
最低限、本記事で掲げたセクハラ事例はすべてチェックして、決して行わないことを心に固く誓いましょう。
信頼できる同僚などに、「自分がセクハラをしそうになったら止めてくれ」と頼んでおくのも効果的です。
酒に酔うと自制できなくなる方は、職場の飲み会では飲酒を控えることも必要となるでしょう。
セクハラは相手の人権を侵害する重大な問題であり、重罪に問われる可能性があることを肝に銘じて、自制に努めることが大切です。
お気軽に弁護士にご相談を

セクハラ被害を訴える部下との話し合いが穏便に進まない場合は、お早めに弁護士へご相談ください。
状況に応じて、最適な対処法について具体的なアドバイスが受けられます。
また、部下との示談交渉は弁護士に依頼して任せることも可能です。
セクハラの加害者と被害者が直接話し合うと、双方が感情的になって対立がエスカレートすることが多いですが、弁護士が間に入ることによって冷静な交渉が可能となります。
セクハラ問題は、とかく、加害者は「この程度の言動でセクハラになるのか」と考える一方で、被害者は「許せない」という感情を募らせることが多いものです。
深刻なトラブルに発展する前に、弁護士へ相談して専門的なアドバイスを受け、適切に対処していくことをおすすめします。
群馬県で「セクハラだ」と言われてお悩みの方は、お気軽に弁護士法人山本総合法律事務所までご相談ください。
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