人を殴っただけで逮捕される?前科を付けない方法を弁護士が解説

人を殴る行為は、暴行罪に該当します。相手が怪我をした場合には、傷害罪が成立します。

そのため、人を殴っただけでも逮捕されることがあります。最終的に処罰を受けた場合には、前科が付いてしまうことにも注意が必要です。

この記事では、人を殴っただけで逮捕されるケースや、前科を回避する方法について、わかりやすく解説します。

はじめに

弁護士

酒に酔って喧嘩をしたり、何らかのトラブルで感情的になったりして、相手を殴ってしまうというトラブルは少なくありません。

部下や後輩などに対して、指導という名目で体罰を加える行為も見受けられます。

しかし、どのような事情があったとしても、人を殴る行為は犯罪です。

被害者が被害届や告訴状を提出し、警察が動けば、逮捕される可能性があります。

騒ぎの現場で警察に通報された場合には、現行犯逮捕されることもあります。

逮捕されると、身柄を拘束された状態で厳しい取り調べを受けなければなりません。

逮捕に引き続いて勾留された場合には、最長で23日間にわたって身柄を拘束され、その間に検察官が起訴・不起訴を決めます。

起訴された場合は刑事裁判が行われ、有罪か無罪かが判断されますが、ほとんどの場合は有罪となります。

初犯で突発的な犯行であれば、拘禁刑ではなく罰金刑となることが多いですが、罰金刑を受けた場合も前科が付くことに注意が必要です。

人を殴っただけでも暴行罪が成立するケース

裁判官

人を殴っただけで暴行罪が成立するのは、殴った相手が怪我をしなかった場合です。

暴行の結果、相手が怪我をした場合には暴行罪ではなく傷害罪が成立します。

打撲でも傷害に該当しますので、ある程度の力で殴れば、傷害罪が成立する可能性が十分にあります。

相手が死亡するに至った場合には、傷害致死罪や殺人未遂罪といった重大な犯罪が成立することになります。

なお、法律上、「暴行」の定義は、「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされています。

つまり、他人に対して正当な理由なく物理的な力を及ぼすと暴行に該当するのです。

したがって、手拳で相手を殴打した場合はもちろんのこと、平手で叩く、肩や胸を小突く、胸ぐらをつかむ、などの行為も暴行に該当することに注意が必要です。

それだけでなく、次のような行為も暴行に該当するということを知っておいた方がよいでしょう。

  • 物を投げつける
  • 水や塩をかける
  • 飲食物に有害な物質を混入させる
  • 大声で怒鳴ったり執拗に説教したりして精神的に追い込む
  • あおり運転をする

【参考】暴行罪や傷害罪の慰謝料や示談金の相場はどのくらい?

暴行罪や傷害罪の法定刑

法定刑

暴行罪の法定刑(法律で定められている刑罰)は、2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料です。

「拘留」とは、1日以上30日未満の間、刑事施設に収監される刑罰です。

科料とは、1,000円以上1万円未満の金銭支払いを命じられる刑罰です。

傷害罪の法定刑は、15年以下の拘禁刑または50円以下の罰金です。

【参考】暴行罪と傷害罪の違いとは?罰則や量刑・成立要件の違い

人を殴っても暴行罪が成立しないケース

弁護士が胸元で腕でバツサインをしている様子

以下のケースでは、例外的に人を殴っても暴行罪が成立しません。

故意がない

暴行罪には過失犯を処罰する規定がありませんので、暴行の故意がない場合には、暴行罪は成立しません。

例えば、振り向いた際に偶然、肘などが後ろにいた人に当たってしまった場合は、過失傷害罪が成立する可能性があります。

過失傷害罪の法定刑は、30万円以下の罰金または科料です。

正当防衛

相手が殴りかかってきたため、自分の身を守るためにやむを得ず相手を殴った場合は、正当防衛が成立する可能性があります。

正当防衛が成立する場合は、「不法な」有形力の行使には当たらないため、暴行罪は成立しません。

ただし、防衛の程度を越えて相手を殴り倒したような場合は、過剰防衛となることもあります。

過剰防衛となれば暴行罪が成立しますが、具体的な事情を考慮して刑が減軽または免除される可能性があります。

緊急避難

自己または他人に迫った危険を回避するために、やむを得ずに人を殴った場合は、緊急避難が成立する可能性があります。

この場合も、「不法な」有形力の行使には当たらないため、暴行罪は成立しません。

緊急避難の例としては、ドライブ中に運転手が眠りかけた際に、同乗者が運転手に対して平手打ちをしたケースなどが考えられるでしょう。

正当行為

医師が診察や治療のために患者の身体に触れる行為のように、正当な業務による行為も、「不法な」有形力の行使には当たらないため、暴行罪は成立しません。

しかし、職場や学校、家庭などにおける体罰は正当な業務行為には当たりませんので、暴行罪に該当することに注意が必要です。

【参考】ひとを殴ってしまった...!被害届を出されたらどうなる?

人を殴っただけで逮捕されるケース

手錠

暴行罪や傷害罪が成立しても、すべてのケースで逮捕されるわけではありません。

警察が被疑者を逮捕できるのは、その理由と必要性が認められるケースに限られます。

逮捕の理由とは「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることを意味し、必要性とは、「逃亡や罪証隠滅を防ぐためにやむを得ないこと」を意味します。

しかし、実務上は、これらの要件は広めに認められているのが実情です。

したがって、暴行罪や傷害罪が成立してしまった場合には、逮捕される可能性があると考えて、速やかに適切な対処をとった方がよいといえます。

【参考】暴行罪と傷害罪の違いとは?罰則や量刑・成立要件の違い

前科を付けない方法

弁護士に相談している男性

暴行罪や傷害罪を犯してしまった後でも、速やかに以下の対処をとれば、前科を回避できる可能性を高めることができます。

警察問題となる前に示談をする

警察問題にならなければ、逮捕されることも処罰されることもありませんので、前科を回避することができます。

そのためには、人を殴ってしまったら、すぐに相手に対して謝罪をし必要に応じて示談金も支払って許しを得て、示談を成立させることです。

被害届や告訴を取り下げてもらう

警察問題になった後でも、できる限り速やかに被害者と示談交渉を行って許しを得て、被害届や告訴を取り下げてもらうことが有効です。

暴行罪や傷害罪は親告罪ではありませんので、被害届や告訴を取り下げてもらうことで100%、前科を回避できるとは限りません。

しかし、悪質なケースや被害者が重大な負傷を負ったケース、反社会的勢力が関与しているケースなどを除いて、多くのケースでは被害届や告訴を取り下げてもらえば捜査は終了し、前科を回避できます。

不起訴処分を獲得する

捜査が続けられた場合でも、起訴されなければ処罰されることはありませんので、前科を回避できます。

そのためには被害者と示談することに加えて、取り調べで事実を正直に話した上で、真摯な反省の態度を示すことが重要です。

家族や上司など信頼できる人に身元引受人となってもらうことも有効です。

【参考】前科をつけたくない

暴行罪、傷害罪は弁護士にご相談を

弁護士一同

暴行罪や傷害罪を犯してしまった場合、一人で悩んでいるうちに警察問題に発展してしまい、逮捕されるおそれがあります。逮捕されなかったとしても、在宅で捜査が進められ、罰金刑を受けたりして前科が付く可能性は十分にあります。

このようなリスクを回避するためには、すぐ弁護士へご相談ください。

弁護士に詳しい事情を話せば、まず、犯罪の成否について的確に判断してもらえます。そして、具体的な事情に応じて、最適な対処法についてアドバイスが受けられます。

弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉を代行してもらうことも可能です。被害者も弁護士が相手なら冷静に交渉に応じてくれることが多く、穏便な解決も期待できます。

もし、逮捕されてしまった場合には、すぐ弁護士を呼んでください。弁護士が接見に来て、

取り調べでの受け答え方法などについて、具体的にアドバイスしてくれます。

群馬県でご自身、あるいはご家族やご友人が人を殴ってしまい、逮捕や前科が気になるときは、お早めに弁護士法人山本総合法律事務所までご相談ください。

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